山行日:2019年11月6日(水) 曇りのち晴れ 二名
11月になってしまった。
先日は月山でも初冠雪が観測されたそうで、いよいよ東北に厳しい冬がやってくる。
そんな中、今回は
御所山(日本二百名山・やまがた百名山)まで足を伸ばしてきた。
標高は1500mとそれほど高い山ではないが、山形と宮城の県境に位置しているために奥が深い山だ。
(ちなみに宮城県側からは船形山と呼ばれている)
山形からの主な登山道は御所山荘を登山口とする
尾花沢コースとジャングルジャングルの先からの
観音寺コースがあるが、比較的距離の短い観音寺コースでも往復で13kmほどある。 今回はそのコースを歩く予定だが、私のレベルからすればかなりの
長丁場だ。
ジャングルジャングルを過ぎるとダートな林道になり、
柳沢避難小屋が見えてくる。
中はきちんと管理されており、古いながらも小ぎれいな小屋である。
道は基本的に普通車でも走れる林道だが、何か所か雨水に削られ、かなり
深い溝が出来ているので、今後補修されない限り最低地上高の高い車でないと通行は無理かもしれない。
柳沢の小屋を過ぎて更に荒れた道をしばらく車で進むと広い駐車場に出る。
ここが
観音寺コースの登山口だ。
さっそく登山開始。 しばらくは、あまり登り下りのない登山道を歩く。
歩きやすい広い道のところもあれば、足の踏み場にも困るような狭い場所もある。
それにしても見事な
ブナ林である。 もう、葉はほとんど落ちてしまい、林全体が明るく見える。
30分ほどで粟畑の十字路到着。 北進すれば
最上カゴ 南進すれば
白髪山(しらひげやま)であるが、ここはそのまま直進して
仙台カゴ方面に向かう。
ほどなく仙台カゴ前の
水場が現れる。 冷たくてなかなかの甘露であった。 この水場が登山口から仙交小屋跡までのちょうど中間地点である。
さらに進むと
楠峰下の丸い案内看板がでてくる
粟畑までせっかく登ったのにずーっと下りが続く。 切ない(涙)。
仙台カゴを左手に見ながら進むと、
ようやく目的の
御所山がはるか向こうに見え始めてきた。 明け方からの雨模様で山頂は雲に隠れているが、予報では天気は回復傾向なので、登頂する頃までには雲が晴れていることを期待しながら歩を進める。
粟畑をすぎて1時間ちょっと、ずっと下り坂でコルまでおりたところが
仙交小屋跡分岐。
ここまでで登山口から約4.3km。ほぼ予定通りのペースで来れた。それにしても、標高で見ると、この辺は車を駐めたところの標高より低いじゃないか。 なんだかなー。
ここから山頂まではこれまでとうってかわって一気に急登となる。
いうなれば、ここが
本当の御所山登山口のようなものだ(^^;
仙交小屋跡から山頂までは地図上の平面距離で2km、高度差が約500mだから、25%の勾配である。 ネットで山行記を見ると、けっこうきついという感想が多かったのでかなり覚悟していったが、思いのほかきつくはなかった。
(もちろん決して楽じゃないけど、覚悟しすぎていったからかもしれない^^;)
途中からはうっすらと
雪も見えだした。
令和初の雪だ! いよいよ今年も冬がやってきたことを実感する。
急登を登り進み、まもなく山頂というところまで来たとき、ほんの2~30mほどの区間だが、登山道が崩れて、もはや急登という
範疇を越えた、かなりの斜度の直登区間があった。ここにはさすがにロープが設置してある。それを頼りになんとか通過。
最後の急坂を登り切るとほどなく
山頂の小屋が見えてくる。
山頂には雪が積もり、立っているのもつらいほどの
強風が吹き荒れていた。
しかし、景色だけは抜群によい。
はるか彼方にぽっこりと
仙台カゴが見える。 よくもまあ、これだけ歩いてきたものだ。
山頂の避難小屋はもう
閉鎖されていた
(避難小屋なのに?)。
山頂で
昼食と思っていたが、風が強く体感温度はかなり寒いので、小屋に入れなければここにはとても長居できない。写真を数枚撮っただけで、すぐに下りに取りかかる。
難所の急坂をクリアしてしばらく下っていくと、葉がすっかり落ちた木に
小鳥の巣が残されていた。なんだか
ホッコリとする。
さらに下っていくと、登山道が広くなっている場所に泥がほじくり返されたようなあとがあった。
イノシシの
ヌタ場ではないかと思われる。 だとすれば初めて見た。
仙交小屋跡分岐まで下って13時、ようやくここでお昼ご飯。
ひと心地ついて周りを見渡すと、登りの時には気づかなかったが、時代を感じさせる古びた看板が木に打ちつけてあった。 いいなあこういう雰囲気。
そそくさと昼食を済ませ、最後のひと踏ん張り、まずは
粟畑の十字路へむけてのダラダラとした登りにとりかかる。
11月ともなれば、午後の日差しは一気に西に傾き始める。
この辺まで来れば風も弱まり、葉っぱをすっかり落としたブナ林のむこうには清々しい晩秋の青空が広がっている。
がんばって歩いたおかげで、
(疲れた足腰にとっては長い道のりだったが)なんとか予定通りの時間で車へたどり着くことが出来た。 駐車場のすぐ手前にある祠に無事に山頂まで行ってこれたお礼の手を合わせる。
ほどなくこのあたりにも
雪の季節がやってくる。それまでにあと何回 山歩きに行けるかわからないが、今回のような
遠歩きはこれが今年のラストかな。
まもな
くスノーシューのシーズンがやってくる。