ハクサンシャジン揺れる月山山頂
山行日 2018年8月1日(水) 天候晴れ
先月のクロユリ登山に引き続いて今季二回目の月山登山。
この愛すべき花の山に好きなときにいつでも行けるのは近くに住んでいる者の特権かもしれない。ありがたいことだ。

今回の山行はソロなので、久しぶりに月山の裏道(?)を歩いてきた。
リフトを使わず姥沢小屋跡裏から雄宝清水を経て、リフト分岐の木道に出るコース。ここを登る人はあまり居ない。しかしながら、雄宝清水とかブナの雫とか実に甘露な水場があるなかなか良いコースである。(ただし、残雪のある頃は少々危ない箇所もあるので8月以降が安全)
午前六時、出発前に協力金集金の小屋の方とちょっと雑談。
今日は雄宝清水の方から登ると話をしたら、昨日そのルートを通った登山者が小グマを見たらしいという情報をくれた。
登りはじめはまだブナ林の中だ。朝の山の中は実に気持ちが良い。連日の猛暑を忘れさせてくれる清々しさである。

豪雪に耐えてきた高く太いブナの幹、どれだけ雪が積もるのか見て取れる。
快調に歩を進め、もう少しで雄宝清水というところまできたとき、登山道の真ん中にドッカと比較的新しい(まだ乾燥していない)ウンチがあった。

むむむ、こんな大量なフンはクマに違いない(と勝手に断定(^^;)。
月山のメインルートは登山者も多く、クマが目撃されることはまずないが、さすがは裏道だ、歩く人も少ないせいか、クマさんの移動ルートとしても使われているのかもしれない。
「すみません、通らせて頂きます」と挨拶しながら、辺りの様子を窺ってみたがクマが居る気配もなかったので、とりあえず、クマ避け鈴をいつもより威勢良く鳴らして登っていく。

ほどなく雄宝清水到着。

冷たい清水で溶かしたアイスコーヒーとサンドイッチで朝食をとる。

雄宝清水(おたからしみず)の名前の由来となった(と勝手に思っている)オタカラコウが水場の周りにたくさん咲いている、そんな中、朝日に輝く月山山頂を見ながらの朝飯とは実に贅沢じゃないか。

更に登ってブナの雫あたりでもう一つ同じような新鮮さのウンチ発見。うらやましいほど快便なやつだ。

そうこうしているうちに森林限界を過ぎ、草原の中の木道歩きになる。
ニッコウキスゲやヨツバシオガマ、モミジカラマツが風に揺れて、振り返れば、朝日連峰の峰々や蔵王の山並みが雲間に見えている。

ニッコウキスゲが草原に鮮やかな黄色い点描を描いている

ヨツバシオガマ

モミジカラマツ 繊細で好きな花だ

イワイチョウ

来し方を振り返ると見事なパノラマが広がっていた

チングルマが咲き

その傍らには綿毛になったチングルマが風になびいている。

2時間弱でリフト上駅と牛首を結ぶメインルートと出会う。ただしようやくリフトが動き出す時間なので、登山客はまだいない。

青空のもとでの登山であったが、山頂だけはずっと雲の中。

牛首の先の尾根からは鳥海山が見えていた。 帰り道にもう一度見えるかと思ったが、もう雲の中に隠れてしまっていた。

山頂直下、旧鍛冶小屋跡を過ぎたあたりからはガスって風も強くなってきた。

山頂には先月のクロユリに代わってハクサンシャジンが見事に花を咲かせている。

ハクサンシャジンとアキノキリンソウが霧の中で幻想的に咲いていた

ハクサンイチゲも

ハクサンフウロも
ミヤマアキノキリンソウやハクサンイチゲ、ハクサンフウロも盛りである。

標高の低いところで咲いていたミヤマリンドウは青空の下どれも花を開いていたが、山頂のミヤマリンドウは霧の中でほとんど花を開いていない。これは日光が当たらないと花を開かないというリンドウの特性である。

先月、クロユリを見に来たときも悪天候で神社には寄らずに帰って来たので、今日はちゃんと山頂の月山神社でお祓いを受けてきた。
山頂でまだ10時頃だったので、ここでコーヒーブレイクの大休止。

その後に颯爽と(?)下山に取りかかる。 この時間帯になるとようやく山頂へ向かう多くの登山者とすれ違うようになった。

下りは、高山植物の可憐な花々を愛でながらのんびり帰ろうと、牛首から姥ヶ岳へ回って、そこからリフト上駅に下り、リフトで下山する予定である。

標高を下げてくると青空も回復し気持ちの良い木道歩きとなる。 ひと月前はこの雪渓もまだまだ大きく残っており、軽アイゼンが必要だったが、かなり小さくなった。

アカモノ

ベニバナイチゴがポツンポツンと咲いている

アオノツガザクラがまだ残っていた

イワカガミももうおわり。色も薄い。

ウサギギク

トモエシオガマ

ヤマハハコ

姥ヶ岳の山頂のいつものところに今年もウメバチソウが咲いていた

雪が解けたばかりのあたりにはヒナザクラがまだ花を咲かせている
姥ヶ岳を下りながら、一輪だけでもトキソウが残っていないかと木道から見える範囲を探してみたが見つけられなかった。
それにしても今日はすこぶる軽快に体が動く。
この分なら、リフトを使わず下山できそうだと判断。リフト上駅直前の分岐を東に曲がって、再び木道をリフト分岐まで戻り、往路と同じく雄宝清水を通って下ってきた。

下界ほどではないが、このへんまで下ってくるとムンとした暑さが身を襲う
。
雄宝清水で頭から冷水をかぶり生き返った。 世にこれほどの贅沢があろうか。
13時、無事に下山。 ログアプリで見ると歩いた総距離は12kmだった。
やれば出来るじゃないか。心臓を患って以来、もう無理はきかないと自重している日々だが、自分の体力にちょっとだけ自信がついた。
だからといって、もちろん無理はしないけどね。
ただ、体力に自信がつくっていうのは日々の生活の中においてもとても大事なことだと思う。そういった意味では今回の山行は自分にとって大いに有意義であった。
そうそう、あのクマ(?)のウンチ、だいぶ乾燥していたけど帰りにもきちんと鎮座していた。ま、逆に、綺麗に掃除されていたほうがなにげに怖いけど( ´艸`)
今回のルート


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先月のクロユリ登山に引き続いて今季二回目の月山登山。
この愛すべき花の山に好きなときにいつでも行けるのは近くに住んでいる者の特権かもしれない。ありがたいことだ。
今回の山行はソロなので、久しぶりに月山の裏道(?)を歩いてきた。
リフトを使わず姥沢小屋跡裏から雄宝清水を経て、リフト分岐の木道に出るコース。ここを登る人はあまり居ない。しかしながら、雄宝清水とかブナの雫とか実に甘露な水場があるなかなか良いコースである。(ただし、残雪のある頃は少々危ない箇所もあるので8月以降が安全)
午前六時、出発前に協力金集金の小屋の方とちょっと雑談。
今日は雄宝清水の方から登ると話をしたら、昨日そのルートを通った登山者が小グマを見たらしいという情報をくれた。
登りはじめはまだブナ林の中だ。朝の山の中は実に気持ちが良い。連日の猛暑を忘れさせてくれる清々しさである。
豪雪に耐えてきた高く太いブナの幹、どれだけ雪が積もるのか見て取れる。
快調に歩を進め、もう少しで雄宝清水というところまできたとき、登山道の真ん中にドッカと比較的新しい(まだ乾燥していない)ウンチがあった。
むむむ、こんな大量なフンはクマに違いない(と勝手に断定(^^;)。
月山のメインルートは登山者も多く、クマが目撃されることはまずないが、さすがは裏道だ、歩く人も少ないせいか、クマさんの移動ルートとしても使われているのかもしれない。
「すみません、通らせて頂きます」と挨拶しながら、辺りの様子を窺ってみたがクマが居る気配もなかったので、とりあえず、クマ避け鈴をいつもより威勢良く鳴らして登っていく。
ほどなく雄宝清水到着。
冷たい清水で溶かしたアイスコーヒーとサンドイッチで朝食をとる。
雄宝清水(おたからしみず)の名前の由来となった(と勝手に思っている)オタカラコウが水場の周りにたくさん咲いている、そんな中、朝日に輝く月山山頂を見ながらの朝飯とは実に贅沢じゃないか。
更に登ってブナの雫あたりでもう一つ同じような新鮮さのウンチ発見。うらやましいほど快便なやつだ。
そうこうしているうちに森林限界を過ぎ、草原の中の木道歩きになる。
ニッコウキスゲやヨツバシオガマ、モミジカラマツが風に揺れて、振り返れば、朝日連峰の峰々や蔵王の山並みが雲間に見えている。
ニッコウキスゲが草原に鮮やかな黄色い点描を描いている
ヨツバシオガマ
モミジカラマツ 繊細で好きな花だ
イワイチョウ
来し方を振り返ると見事なパノラマが広がっていた
チングルマが咲き
その傍らには綿毛になったチングルマが風になびいている。
2時間弱でリフト上駅と牛首を結ぶメインルートと出会う。ただしようやくリフトが動き出す時間なので、登山客はまだいない。
青空のもとでの登山であったが、山頂だけはずっと雲の中。
牛首の先の尾根からは鳥海山が見えていた。 帰り道にもう一度見えるかと思ったが、もう雲の中に隠れてしまっていた。
山頂直下、旧鍛冶小屋跡を過ぎたあたりからはガスって風も強くなってきた。
山頂には先月のクロユリに代わってハクサンシャジンが見事に花を咲かせている。
ハクサンシャジンとアキノキリンソウが霧の中で幻想的に咲いていた
ハクサンイチゲも
ハクサンフウロも
ミヤマアキノキリンソウやハクサンイチゲ、ハクサンフウロも盛りである。
標高の低いところで咲いていたミヤマリンドウは青空の下どれも花を開いていたが、山頂のミヤマリンドウは霧の中でほとんど花を開いていない。これは日光が当たらないと花を開かないというリンドウの特性である。
先月、クロユリを見に来たときも悪天候で神社には寄らずに帰って来たので、今日はちゃんと山頂の月山神社でお祓いを受けてきた。
山頂でまだ10時頃だったので、ここでコーヒーブレイクの大休止。
その後に颯爽と(?)下山に取りかかる。 この時間帯になるとようやく山頂へ向かう多くの登山者とすれ違うようになった。
下りは、高山植物の可憐な花々を愛でながらのんびり帰ろうと、牛首から姥ヶ岳へ回って、そこからリフト上駅に下り、リフトで下山する予定である。
標高を下げてくると青空も回復し気持ちの良い木道歩きとなる。 ひと月前はこの雪渓もまだまだ大きく残っており、軽アイゼンが必要だったが、かなり小さくなった。
アカモノ
ベニバナイチゴがポツンポツンと咲いている
アオノツガザクラがまだ残っていた
イワカガミももうおわり。色も薄い。
ウサギギク
トモエシオガマ
ヤマハハコ
姥ヶ岳の山頂のいつものところに今年もウメバチソウが咲いていた
雪が解けたばかりのあたりにはヒナザクラがまだ花を咲かせている
姥ヶ岳を下りながら、一輪だけでもトキソウが残っていないかと木道から見える範囲を探してみたが見つけられなかった。
それにしても今日はすこぶる軽快に体が動く。
この分なら、リフトを使わず下山できそうだと判断。リフト上駅直前の分岐を東に曲がって、再び木道をリフト分岐まで戻り、往路と同じく雄宝清水を通って下ってきた。
下界ほどではないが、このへんまで下ってくるとムンとした暑さが身を襲う

雄宝清水で頭から冷水をかぶり生き返った。 世にこれほどの贅沢があろうか。
13時、無事に下山。 ログアプリで見ると歩いた総距離は12kmだった。
やれば出来るじゃないか。心臓を患って以来、もう無理はきかないと自重している日々だが、自分の体力にちょっとだけ自信がついた。
だからといって、もちろん無理はしないけどね。
ただ、体力に自信がつくっていうのは日々の生活の中においてもとても大事なことだと思う。そういった意味では今回の山行は自分にとって大いに有意義であった。
そうそう、あのクマ(?)のウンチ、だいぶ乾燥していたけど帰りにもきちんと鎮座していた。ま、逆に、綺麗に掃除されていたほうがなにげに怖いけど( ´艸`)
今回のルート


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