「湯田川孟宗」からの「金峯山・鎧ヶ峯」
山行日:2019年5月15日(水) 晴れ 2名
今回は宮城県の某岳に行く予定だったが、どうも天気予報が芳しくない。
雨の中を意地でも登りたいほどの山でもないので、あっさり行き先を変更。
庄内地方はお天気が回復傾向と踏んで、やまがた百名山のひとつ金峯山(きんぼうざん・471m)へ行くことにした。

金峯山は初めて登る山。位置的には鶴岡市湯田川温泉の近くだ。
でもって湯田川は孟宗で有名である。
今の時期は湯田川温泉の中にあるJAに孟宗直売所が開かれ、朝の7時から朝掘りの孟宗を売り出す。これがまた人気で、開店前からズラッと客が並び、あっという間に売り切れてしまうらしい。 毎年地元のニュースでも取り上げられている。 もはや初夏の風物詩といっても良い。

正直 私は「並ぶ」とか「行列」とか大嫌いな性分だ。
しかし、後学のために一度くらい経験しても良いかなと、金峯山に登る前に湯田川孟宗ゲットにチャレンジすることにした。

出遅れてはならぬと、朝4時半起床で出発。
6時40分頃に着いたのだが、予想通りもう多くの客が居た。

整理券は24番。 微妙だ。

開店と同時にまず整理券1~5番が入店し品を選び、会計が終わる頃に6~10番の組が入店、というシステムらしい。 お値段もS・M・Lのサイズごとにキロ単位の値段が決まっているようだ。

次から次へとお客さんが孟宗を袋に入れてドッサリと買っていく。
思った通り16~20番の組まででほとんどの孟宗は無くなってしまっていた。
良いサイズの孟宗を確実にゲットするにはひと桁台の順番札を目指さないとダメっぽい。平日でこれだから土日は大変だろうな。(ちなみに車は店から徒歩2分の湯田川温泉の共同駐車場を利用させてもらった)

それでも、Sサイズ6本ゲーット! (小さい方がより柔らかくて美味しいはず
)
それにしても、ここまでで開店から20分。品物もほぼ品切れ状態だ。
早起きした甲斐があった。 これで今日の目的は果たしたようなものだ。
「もう山登りなんてどうでも良い」そんな事を思いながらも、今日の目的地である金峯神社・中の宮を目指す。 もちろん大事な孟宗はクーラーバッグに収納。

金峯山は歴史と由緒ある金峯神社が鎮座する山である。 およそ9世紀の初頭に山頂に社殿が築かれ、神仏習合の時代は出羽三山とともに修験道場として栄えたという。
今回はこの山だけでは少々物足りないかなと思い、その先の鎧ヶ峯(よろいがみね566m)まで足を伸ばすことにした。 ただし更にその先の母狩山(ほかりやま751m)までの縦走はパス。母狩にはいずれ別の機会に谷定から登る予定だ。

中の宮の手前(社務所)までは車で行ける。

余談をひとつぶち込んでおくと、中の宮の駐車場わきにある随神門は、あの「勇者ヨシヒコ」の撮影が行われた場所だ。この門が「ダーマ神社」の門としてロケで使われたことは、知っている人だけが知っているトリビアである。 ただし、メレブの呪文と同じく知っていてもなんの役にも立たない。

中の宮の社殿左側奥から山頂の本殿を目指して山登りが始まる。

まず真っ先に目に飛び込んでくるのは、深くえぐられたような登山道

低い山ながら、さすが修験道場の山である。 道が険しい。 少々甘く見ていたかもしれない。

八景台で一息 母狩山が見える

ようやく山頂の本殿に到着 国指定の重要文化財である。
お賽銭をあげてお詣り

ところがちょっと下にある建物を見ると「仮宮所」という新しい札がある。
もしや神様はこっちに仮住まい? ということで、こちらにも手を合わせる。
そういえば、鶴岡市のHPに金峯山本殿の保存修復のために五月下旬に登山規制するという情報が掲載されていた(こちら参照)。 なるほど、そのために神様はいま仮宮所に遷座しているのかもしれない。ちなみに規制の期日ははっきりしていないので、今月末に登る予定の方は確認した方が良いと思う。

本殿からちょっと戻って、鎧ヶ峯への道に入る

これまでの険しさとうってかわって尾根歩きとなる。

とはいえ修験の山、そうそう楽はさせてくれない。
サイノ神峠などの何度かのアップダウンを繰り返しながら尾根歩き。

竜神池の標柱 ちょっとおりてみたら下の方に池が見えた

チゴユリも賑やかに咲いていた

ハッとするような面白い形のブナがあちこちに点在する尾根だ。

スミレの種類は多すぎてわからない。
シロバナタチツボスミレやオオバキスミレなどいろんなスミレが咲いていたが、このスミレは何? 私よりずっと花に詳しいツレも同定できずにいた。

この山にはいろんな花が咲いている。 時にはサングラスの花も。
って…そんなわけない。 誰かの落とし物? サングラスが枝に掛けられていた。

ついに鎧ヶ峯山頂到着 見事な景色が眼前に広がる。

今登ってきた金峯山が綺麗に見える。
遠くに鳥海山が見えるはずだが、今日は雲の向こうだった。

東には月山が一望できる。

西には藤倉山が見える。
朝の出発が早かったためにまだ10時だ。
金峯山で我々を颯爽と追い抜いていった人の姿は山頂に見えなかったので母狩まで足を伸ばしたのだろう。我々にはそこまでの体力はない。お昼にはまだ早いので、素直にここから来た道を引き返す。

尾根に咲いていたウゴツクバネウツギ

たぶんニシキゴロモ?

この山はツバキも多い

金峯山まで戻り、分かれ道を左に入ると本殿の裏を回って一望台へ出られる。

一望台はベンチもいくつか用意されていてゆっくり休むことが出来る。

ここには立派なバイオトイレが設置されていた。

ここから望む光景は圧巻だった。
「一望台」という名前通り、庄内平野が一望できる。
水が張られた田んぼに囲まれた鶴岡市はまるで水に浮かぶ集落のようだ。

キラキラ光る庄内平野を眺めながらお昼ご飯。
たっぷりと休憩を取って下りにとりかかる。

登りが険しかったということは、下りもそれなりに大変である。
一歩一歩慎重に下って無事に下山をすることができた。
感謝感謝。

ツクバネソウ
------------
帰宅後、さっそく夕食にみそ汁にして孟宗を食してみた(ちなみに、湯田川の孟宗汁は粕仕立てなのだが、私は粕が苦手なので普通のみそ汁で)。 実に柔らかい。 あく抜きしなくてもえぐみもない。 さすが名にし負う湯田川の孟宗だ。

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今回は宮城県の某岳に行く予定だったが、どうも天気予報が芳しくない。
雨の中を意地でも登りたいほどの山でもないので、あっさり行き先を変更。
庄内地方はお天気が回復傾向と踏んで、やまがた百名山のひとつ金峯山(きんぼうざん・471m)へ行くことにした。
金峯山は初めて登る山。位置的には鶴岡市湯田川温泉の近くだ。
でもって湯田川は孟宗で有名である。
今の時期は湯田川温泉の中にあるJAに孟宗直売所が開かれ、朝の7時から朝掘りの孟宗を売り出す。これがまた人気で、開店前からズラッと客が並び、あっという間に売り切れてしまうらしい。 毎年地元のニュースでも取り上げられている。 もはや初夏の風物詩といっても良い。
正直 私は「並ぶ」とか「行列」とか大嫌いな性分だ。
しかし、後学のために一度くらい経験しても良いかなと、金峯山に登る前に湯田川孟宗ゲットにチャレンジすることにした。
出遅れてはならぬと、朝4時半起床で出発。
6時40分頃に着いたのだが、予想通りもう多くの客が居た。
整理券は24番。 微妙だ。
開店と同時にまず整理券1~5番が入店し品を選び、会計が終わる頃に6~10番の組が入店、というシステムらしい。 お値段もS・M・Lのサイズごとにキロ単位の値段が決まっているようだ。
次から次へとお客さんが孟宗を袋に入れてドッサリと買っていく。
思った通り16~20番の組まででほとんどの孟宗は無くなってしまっていた。
良いサイズの孟宗を確実にゲットするにはひと桁台の順番札を目指さないとダメっぽい。平日でこれだから土日は大変だろうな。(ちなみに車は店から徒歩2分の湯田川温泉の共同駐車場を利用させてもらった)
それでも、Sサイズ6本ゲーット! (小さい方がより柔らかくて美味しいはず

それにしても、ここまでで開店から20分。品物もほぼ品切れ状態だ。
早起きした甲斐があった。 これで今日の目的は果たしたようなものだ。
「もう山登りなんてどうでも良い」そんな事を思いながらも、今日の目的地である金峯神社・中の宮を目指す。 もちろん大事な孟宗はクーラーバッグに収納。
金峯山は歴史と由緒ある金峯神社が鎮座する山である。 およそ9世紀の初頭に山頂に社殿が築かれ、神仏習合の時代は出羽三山とともに修験道場として栄えたという。
今回はこの山だけでは少々物足りないかなと思い、その先の鎧ヶ峯(よろいがみね566m)まで足を伸ばすことにした。 ただし更にその先の母狩山(ほかりやま751m)までの縦走はパス。母狩にはいずれ別の機会に谷定から登る予定だ。
中の宮の手前(社務所)までは車で行ける。
余談をひとつぶち込んでおくと、中の宮の駐車場わきにある随神門は、あの「勇者ヨシヒコ」の撮影が行われた場所だ。この門が「ダーマ神社」の門としてロケで使われたことは、知っている人だけが知っているトリビアである。 ただし、メレブの呪文と同じく知っていてもなんの役にも立たない。
中の宮の社殿左側奥から山頂の本殿を目指して山登りが始まる。
まず真っ先に目に飛び込んでくるのは、深くえぐられたような登山道
低い山ながら、さすが修験道場の山である。 道が険しい。 少々甘く見ていたかもしれない。
八景台で一息 母狩山が見える
ようやく山頂の本殿に到着 国指定の重要文化財である。
お賽銭をあげてお詣り
ところがちょっと下にある建物を見ると「仮宮所」という新しい札がある。
もしや神様はこっちに仮住まい? ということで、こちらにも手を合わせる。
そういえば、鶴岡市のHPに金峯山本殿の保存修復のために五月下旬に登山規制するという情報が掲載されていた(こちら参照)。 なるほど、そのために神様はいま仮宮所に遷座しているのかもしれない。ちなみに規制の期日ははっきりしていないので、今月末に登る予定の方は確認した方が良いと思う。
本殿からちょっと戻って、鎧ヶ峯への道に入る
これまでの険しさとうってかわって尾根歩きとなる。
とはいえ修験の山、そうそう楽はさせてくれない。
サイノ神峠などの何度かのアップダウンを繰り返しながら尾根歩き。
竜神池の標柱 ちょっとおりてみたら下の方に池が見えた
チゴユリも賑やかに咲いていた
ハッとするような面白い形のブナがあちこちに点在する尾根だ。
スミレの種類は多すぎてわからない。
シロバナタチツボスミレやオオバキスミレなどいろんなスミレが咲いていたが、このスミレは何? 私よりずっと花に詳しいツレも同定できずにいた。
この山にはいろんな花が咲いている。 時にはサングラスの花も。
って…そんなわけない。 誰かの落とし物? サングラスが枝に掛けられていた。
ついに鎧ヶ峯山頂到着 見事な景色が眼前に広がる。
今登ってきた金峯山が綺麗に見える。
遠くに鳥海山が見えるはずだが、今日は雲の向こうだった。
東には月山が一望できる。
西には藤倉山が見える。
朝の出発が早かったためにまだ10時だ。
金峯山で我々を颯爽と追い抜いていった人の姿は山頂に見えなかったので母狩まで足を伸ばしたのだろう。我々にはそこまでの体力はない。お昼にはまだ早いので、素直にここから来た道を引き返す。
尾根に咲いていたウゴツクバネウツギ
たぶんニシキゴロモ?
この山はツバキも多い
金峯山まで戻り、分かれ道を左に入ると本殿の裏を回って一望台へ出られる。
一望台はベンチもいくつか用意されていてゆっくり休むことが出来る。
ここには立派なバイオトイレが設置されていた。
ここから望む光景は圧巻だった。
「一望台」という名前通り、庄内平野が一望できる。
水が張られた田んぼに囲まれた鶴岡市はまるで水に浮かぶ集落のようだ。
キラキラ光る庄内平野を眺めながらお昼ご飯。
たっぷりと休憩を取って下りにとりかかる。
登りが険しかったということは、下りもそれなりに大変である。
一歩一歩慎重に下って無事に下山をすることができた。
感謝感謝。
ツクバネソウ
------------
帰宅後、さっそく夕食にみそ汁にして孟宗を食してみた(ちなみに、湯田川の孟宗汁は粕仕立てなのだが、私は粕が苦手なので普通のみそ汁で)。 実に柔らかい。 あく抜きしなくてもえぐみもない。 さすが名にし負う湯田川の孟宗だ。

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